それは紛れもなく、唯一の味方だったお兄ちゃんの姿。
写真に写ってたその顔は、"じゃあ行ってくる"と言ってあたしに笑いかけた、最期の笑顔そのものだった。
昔から家族でどこかに行って思い出を残したことがないから、お兄ちゃんの写真は遺影とこのアルバムの写真だけ。
遺影の写真も、アルバムから取ったって先生言ってたし。
「……っ…。」
止めどなく溢れ出す涙。
ポタッ、ポタッとアルバムに染みをつくっていく。
よかった、アルバムに透明のフィルムがかかってて……。
「……何してる。」
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