聞き直してみると、彼は耳を少し
赤くし俯く。




「何でもねぇよ。
 それよりお前もう少しで授業はじまるぞ」





校舎にある大きな時計を指差し
ゆっくりと立ち上がる彼。

不良君が今日はちゃんと授業うけんの?
何かめずらしいじゃん…。



「あんたでもさすがに退学は
 いやなのかぁ、フム…」




腕を組み関心してると
私の頭を軽くたたく。




「俺は行かねぇよ。俺お前より頭いいから。
 ってか俺あんたって名前じゃねぇし」





この男まさか…ナルシスト?

『頭別にいいから』なんて自分で言う?




「なんて呼べばいいのよ。
 ナルシ君?」




「はぁ?お前馬鹿にしてんのか?
 悠也って名前があるだろうが」




「そうなのか、じゃあもう話す事は
 ないと思うけど悠也って名前は覚えとく。
 それと!私もお前って名前じゃないから。
 ちゃんと姫乃って名前があるんだからね!」



別にあんたの名前なんか知ってたし…
教える必要がない私の名前もいつの間にか
口からでてたし…。