6:00に由香と別れて、家に直行した。

私は中野区に住んでいた。渋谷とか新宿にも近いし、ちょっとラッキーな場所だった。

駅から10分くらい歩いたところにあるマンションに住んでいた。

3階の一番奥が私の部屋。鍵をあけて、中にはいる。真っ暗で何も見えない。

電気をつけて、「ただいま・・・」と小声で言った。

誰もいない。一人暮らしだった。

6畳の部屋が3つ、8畳の部屋が2つにキッチンにトイレ、お風呂。一人暮らしには十分すぎる広さだった。もとから家具が全部ついていて、何も不便がない。

家賃は知らなかった。顔も見たことない、祖父がずっと払っていてくれた。もちろん学費だって祖父が払っていた。月に20万ずつ、お小遣いと、お金が届く。

最初は他人のお金を使っているみたいで、気味が悪かったが、6年も続けていると、慣れてしまった。

家では、完全にスイッチOFF。何もする気が起きない。とりあえず、お風呂に入って、明日着ていく制服を決める。晩御飯は食べない主義。ダイエットじゃないけれど、食べる気にならなかった。

寝るときは、音楽を聴く。昔はNe-Yoが好きだったが、今は柴田淳が好き。特に青い時間という歌が大好きだった。

“耳を澄ますことも 目を見開くことも 僕は煩わしくてやめた”

って歌詞が、なんだか私と同じような気がしてならなかった。
その歌の切ない歌声を聴きながら眠った。