教室にお嬢様言葉が響く。クラス中がシーンとなる。

今日も始まった、貧乏人いじめ。

『下品ですわね。どうりでお洋服がお汚れになっていらっしゃるのねッ』

『この学校の価値が下がりますわ』
あくまで上品な言葉だが、内容はキツい。それが彼女達、橘 真(タチバナ マコト)のグループだった。濃いアイラインに長いまつげ。専属のメイクさんにやってもらっているらしく、上品に仕上がっている。そしてゆるく巻かれた意外と落ち着いた髪。

真の家は、学校に多額の寄付をしているので、誰も逆らえない。

ついでに真は男子はいじめない(笑)。

教室の端っこにいる、坂本さんは体を震わせている。

この学校で、真たちにいじめられたら最後。もう、この学校にはいられないだろう。

そんな坂本さんに、同情を寄せる人は、誰一人としていない。みんな自分にプライドをしっかり持っていて、貧乏な人を嫌った。そんな冷たいクラスだった。

『桜さんも、そう思われません?』