あ・・・また見てる。


『あの子』を見つめる『彼』の顔を見るたびに胸が痛くなった。

じゅわっと染み出す涙をこらえてニコッと口元を笑顔に変える。



「おーい、鎌苅依音。
目がやらしいぞお☆」

「おっわ!!もっと普通に話しかけろよ;
っつかやらしい目なんかしてねぇし!!!///」

「してたもーんっ。
また雛ちゃんのコト見てたでしょ?」

「見てねえから!!///」

真っ赤な顔して否定する依音。

「ふーん。
じゃあこれも見ないよね??」

そう言って私が取り出したのは一冊の卒業アルバム。

「卒アル?」

「私雛ちゃんと一緒の中学だったんだよね~。」

「!!
見たい!!」


あー、なんかオプションに犬の尻尾が見えてきたよ。

「「見せてください璃音様」。」

って言って。
目で訴える。

「見セテクダサイ璃音サマ。」

「心がこもってないぞー。」


「~~っっ!!
見せてください璃音様!!」


「しょうがないな~♪」