不良少女とストーカー!?②~新たな出会い達~






「まぁなんかあったらすぐ
俺んとこ来いよ。
明後日は空けといてやるから。」


アドバイスもらったんだし、
それくらいはしてやらねぇとな!


「いいよ。」


え?


「なんで?」




「自分で決着つけてやるんだから。」


さすがだよな…平野は。
なんも変わってねぇや…。

いっつも1人で
解決しようとするとこは

スゲーかっこいい。

けど…


「今回は1人で解決なんて無理だぞ。」


相手が相手だ。

そんな奴に勝てるわけない。











「拓…。あんたいつから、
あたしのこと舐めてた?
あたしは、
1人で解決なんてしようとしてない。」




「え?」


どういうことだよ…。


「一応翔太は彼氏だし、
あたしは1人で食事に行くわけじゃない。
その場に翔太がいるのに

誇景さんが何して来るかなんて
勘で分かる。」


……あっぱれだぜ…。

その‘‘翔太’’って人がいるから
1人じゃないってことか…。


「だいぶ、ベタ惚れだな。」




「ふっ、当たりまえ(笑」


そんなに相手のこと思ってるなら


「平野は、負けねぇよ。」


ただそんな気がした。


「負けてたまるか!!」












「っあぁ~!!
スッキリした!!
拓、聞いてくれてありがとう♪」




「俺こそ。サンキューな!」


あれから30分2人で
他愛もない話をしてた。

久しぶりに話せて良かった。



「あっ!そろそろいかなきゃ。」




「仕事?」




「うん。ごめんね?
せっかく話してたのに…。」




「全然いいよ。んじゃガンバ!!」




「うん。」


俺も、そろそろ決着って奴を
つけねぇとな…。


「あっ!拓!!」




「ん?」




「頑張って来い!!」




「……おー。」




拓said ~end~













「平野美咲さん。
社長がお呼びです。」




「はい。」


今日…ついに決まってしまう。






岸戸ちゃんの解雇が…。















あの日以来、
4人で集まって社長に抗議した。


少しだけ社長が
意思を鈍らせたけど

絶対誇景さんが入ってきて

また、社長に
‘‘規則は規則だ’’と

意思を鋭くさせた。


「失礼します。」


岸戸ちゃんがいなきゃ

あたしはやってられない。
友達であり、

最大の仕事パートナーだから。


「岸戸君のことだ。」




「分かってます。」


‘‘嫌って言っても
世間では通用しない’’って

誇景さんが言ってた。


でも、やっぱり
岸戸ちゃんは大事だから。










‘‘考えが子ども’’とも言われた。


それでも良い。

それでも良いから
岸戸ちゃんを……

岸戸ちゃんをやめさせないで。


「今日、正式に解雇処分に決まった。」




「……っ。」


あたしは、まだちっぽけな
子どもにすぎない。

大切な人、1人守れなかった。


「以上だ。
仕事に戻りなさい。」




「……はぃ…っ。」


もう岸戸ちゃんは




いない―――。












「…ぅっ……グスっ…う…。」


泣きたいのは、あたしじゃない。
1番泣きたいのは

岸戸ちゃんなんだ。

分かってても、
分かっててもあたしは


「うっ……ぅわぁー…っぃやだょ…。」


涙は止まらなかった。


「…グスっ…もう!!!!」




「ガンッ!!」


あたしは、壁を叩いて泣くことしか
出来なかった―――。


どうして、岸戸ちゃんなの?


あんなに一生懸命やってた人なのに
どうして、恋をしただけで

辞めなきゃいけないの?


「きっ…岸戸…ちゃんじゃ…なきゃ
嫌…だよ……。」











「……美咲。」


目の前には翔太がいた。

たぶん心配して来てくれたんだと
思う。


「…っ…ぅ翔太!!」


あたしは、翔太に抱きついて
泣くことしか出来なかった。

なのに、
翔太はギュッっと

あたしを抱きしめてくれた。


「…美咲。」


‘‘泣くな’’とは
言わない翔太の優しさが

今のあたしの支えになってた。

こんなに優しい人に
あたしは支えられてたんだって

改めて分かった。

‘‘翔太しかいない’’―――。


「…ぅ…翔太っ…翔太ぁ…。」


今は、
名前を呼ぶことしか出来なかった。











「本日付で退職することになりました。
今まで短い間でしたが
皆さん、ありがとうございました!」


岸戸ちゃんがみんなに
退職することを明かした。


「……。」


あたしは、黙ってみてるしかなかった。


「美咲ちゃん。」




「……誇景さん。」




「マネージャーさん、やっと決まったようね。」




「……。」




「無視か…。ひどいわね。」


今、誇景さんと話そうなんて
全く思わなかった。