不良少女とストーカー!?②~新たな出会い達~






ん?


「なに?」




『ブラックリスト君とは…
何もない?……よね?』


ブラックリスト君?

それって…


「羽間のこと?」




『うん。龍一君のこと。』


羽間と何もないかって?

んー……どうなんだろう…。


「あるって言ったらどうする?」


恐る恐る聞いてみた。

もしかしたら、‘‘別れる’’とか
言われちゃうかもしれない…。

でも、好奇心に負けてしまった…。


『……。』


あれ?

本当に言われちゃうっぽいな…(汗

いやいやいや…
考えすぎだろっ…あたし…。













『何かあったんだね。』


ギクッ!!

え!?分かっちゃうもんなの!?


「あっあるわけ、
…ないわけじゃないけど…。」




『この浮気者。』


えぇ!!?


「浮気なんてしてないよ!!
ただ、告られただけだし!!…ぁ。」


時すでに遅し…。

あたしは、バカだ…。


「いや!!今のは『美咲集合。』」


え?


「どこに?って…今から!?」


今からはちょっと…。
眠たいから…帰りたいんですが…。












『今から以外ないでしょ。』


ですよねぇ~。

翔太ならそう言うと思ってました…。


「…分かりました……。」




『うん♪素直で宜しい♪
んじゃ今から迎え行くから!』


本当に今からなんですね…。

分かりました、準備しときます…。

あたしは今日、尋問を
永遠にかけつづけられるのだろう…。

もう目に見えているところが
また…怖い―――。







「さて、美咲ちゃん?
どういうことなのか、
説明していただけますか?」




「ただ…告られただけです。」


その後の、尋問は…
2時間に渡ったとさ―――。













どうして、俺は…
あいつのことを
好きになってしまったんだろうか…。













疋澤真央美を――――。




















あの日―――、
俺は疋澤を振った。


なのに―――、
俺はあいつのことが気になりだしてた。


そして―――、
好きと自覚した時には

もう遅かった。


あいつは―――、

蓮と付き合いだしてた。


もっと早く気づけば
平野につづいて失恋することは

なかったはずなのに―――。





だから俺は、
みんなの前から姿を消した―――。














*****


「どういうことだよ!?拓!!」




「どういうことって…言葉のままだけど?」




「言葉のままって…なぁ、
急にどうしたんだよ?失踪するって…。」


そんなのお前に言っていいのかよ…。

理由を言った時の
蓮の顔なんて想像したら分かる。

言わない方がいい。


俺はそう思ったから
蓮には言わなかった。


「蓮には、関係ない。」




「美咲のことか?」


平野のことを気安く呼ぶなよ。

浮気して、悲しませたくせに。

疋澤にもするつもりか?

なら、俺の方が
疋澤のことを…大事に出来る自信がある。


「関係ねぇよ。」




「なら、なんで!!」













「……きなんだよ…。」




「拓…全然聞こえねぇ。」




「だから!疋澤のことが好きなんだよ!」


あぁあ…言うつもりなかったのに…。


「!!?」


そりゃそうなるよな…。
振ったのに、今更好きなんて

都合よ過ぎるしな…。


「もういいだろ?
だから、俺は失踪する。」




「……。」


ほら。

やっぱり言わない方が良かっただろ。


「拓。」




「なんだよ…。」














「…ぃや、なんもない…。」




「なんだよ、…じゃあな。」


そして、俺は
この町を出た―――。




*****


「いらっしゃいませぇ!」


俺は、ファミレスに入り
1人で考えていた。

疋澤へのこの思いは
どうやったら消えるのか―――。


「俺は…。」


どうやったら、
疋澤のことを好きじゃなくなる?


「拓!?」


誰かに名前を呼ばれて振り返った。












「!?」




「今までどこに行ってたの!?
みんな、心配してたんだよ!?」




「……平野…。」


振り返るとそこには、
平野美咲がいた―――。

俺が好きだった人。


「早く帰った方がいいよ?
真央美が心配してた。」


疋澤が?

俺のことを心配してくれてた?


「…俺は、帰らない。」


そんなはずないか…。

俺に構ってたら、蓮に怒られるもんな。


「どうして?」




「心情の変化って奴。」


ちょっとカッコつけてみたけど
やっぱり平野には

通用しない。


「強がってもダメだよ。」