ガチャ
屋上は誰もいなくてそこだけが静かだった
「何があったの?」
きららはいつものふざけたかんじじゃなくて、小さな子供に接するように私に言った
「っ…ねが、胸が、、苦しい。……剣が、剣が私じゃない…ヒック…女の……人に笑顔向けてると、、」
ポロポロと涙が溢れてくる、こんなに泣いたこと、今までなかった
「真理寧、本読んだでしょ?」
本…?
分からないと言うように首を傾げればきららはにっこりと笑って
「真理寧が一晩でめっちゃ読んだやつ」
あぁ、そうだ、、
あのたくさんの本を読んで、恋っていいなって、私もしてみたいなって思って剣に言ったんだった
「あの本にはさ、恋をすると胸がどうなったのか書いてあったんだけど覚えてる?」
……覚えてる。
『……何でだろう、なんであの人が女の子と話してるのを見るとこんなに胸が苦しくなるの?』