アタシの服が床に脱ぎ放たれている。 億劫だけど、ベッドから手を伸ばす。 服を手に取る時、人の気配を感じた。 顔を上げると、開いたままのドアの前を通りすぎる男と目が合った。 知っている男。 というか…同じクラスの男子。 上杉隼人…。 あぁ…。 あまり考えなくても、理解できた。 兄弟だったんだ。 「おまえ、こんなとこで何やって…」 彼は途中で言葉を詰まらせ、アタシから視線を逸らした。