廊下には、たくさんの生徒がいる。



何がそんなに楽しいのか、みんな笑っている。



楽しいものがそんなに満ち溢れているようには、アタシには思えない…。



楽しいから笑うのか…



笑うから楽しいのか…。



みんなが笑顔のお面を付けているように思えてくる。





「ちょっと押さないでよぉ」



「だって聞きたいんでしょ」



笑顔の女子二人が、あたしに近づいてくる。





「あの、月本さん!!」



名前も思い出せないクラスメイトに、アタシは名前を呼ばれた。



小柄な女と茶髪の女。