男は目を見開いて驚いている。
「こ、黒蝶…?」
振り替えると、黒のパーカーに黒のショーパン。黒の帽子を深く被った少女が立っていた。
「もう一度聞く。何してんだ?」
恐らく僕らと同い年位だろう。だが、その声は全く怖がっておらず、かといって強がった声でもない。
慣れきったように落ち着いていた。
「こ、これは、その」
むしろ、強面のおじさんの方が怯えてる。…何でだ?
「消えろ。子供相手にカツアゲでもする気か?
だったら、私が相手になるが…?」
低く言い放つ彼女から少し殺気を感じた。
こ、怖い…
男は顔面蒼白になり慌てて逃げて行った。