中学校に上がった頃から父もあまり自宅に戻って来なくなり、帰って来ても両親2人の会話は殆どなかった。



母の素行もそのころから乱れ始める。



夜帰って来ない日もあり、もしかしたら父以外の男の人がいるんじゃないかと子供心に胸を痛めていた。





一昨年の誕生日のこと。



久々に単身赴任中の父が帰ってくるという事で、朝からワクワクしていた。



あたしの誕生日はクリスマスをすぐ後に控えた12月20日。




“誕生日とクリスマスが近いのってなんか損だよね”




そう言われたこともあったけど、そんな12月があたしは大好きだった。




母とは違って、優しくてあたしには甘い父。



久し振りに会える期待に胸を膨らませ、学校が終わると一目散に家へ帰った。