『えっ、何?どうしたの?』



あたしが慌てて翼の肩に手を掛けて覗きこむと



「どうやら恋わずらいらしい。胸が苦しくてたまんねー」



うーっとマヌケな声を出した。



『なにそれ』



あたしは呆れて翼の肩を思いっきり叩いた。



『そうだ、志摩先輩のとこ行って来なよ』


「志摩先輩?」


『うん、生徒会の有名人。知ってるでしょ?』



ちょうどいい人がいるじゃない、とあたしは志摩先輩の名前を口にした。



「もちろん知ってっけど」


『恋の悩みなら完璧だよ?』