「いいわよ。でも期待しないでね?」


『謙遜はいいって。見るからに手先器用そうだし』


「んーまあ、器用じゃなきゃこの職業やってられないしね」


『ほらやっぱり!ね、瑶子ちゃんは彼氏に手料理食べさせたことあるの?』


「えっ!?やだ。ナイナイ!彼氏なんていないもん」



そう言って顔を赤らめる瑶子ちゃん。



もうかなり長い間彼氏はいないみたい。



確かに恋愛経験は少なそうに見えるけど、もう立派な大人。



一つや二つくらい……ね?





…キーンコーンカーンコーン…



「ほらほら、教室に戻った戻った!」



上手い具合にチャイムがなり、あたしは教室へ強制送還された。