大きく深呼吸して両手を上に伸ばす。



そんな横顔をチラっと見る。



翼の言う通り、長い襟足と前髪が風に靡いている。




「晴れたな」



川に向かって石を投げながら。





『うん』



涙のわけは聞いてこない。



あたしもその方が助かった。