そんな男性の気持ち悪いまでの優しい声を聞いた後




――ガチャリ




錆びれた金属音を耳にした。



その音は、この部屋に鍵が掛けられた事だと分かる。



蹴飛ばしたら外れそうなほど古い扉。



ドアノブの中のつまみを十字に回すだけの鍵。




次に何を思ったか、男性はあたしの隣のパイプ椅子を引いた。




え……

何……する気?




さすがのあたしも少し警戒する。