『うん、分かってる。しつこそうだし』


「あのなあっ…!」


『でもそういうの悪くないと思うよ』




しつこくても、相手を真剣に想うのなら。




「……最後まで敬語なってねぇヤツだな」




苦笑いしながら、照れを隠すように荒っぽい口調で言う。




なんでも完璧に見える志摩先輩に弱いところがあるとすれば、それはきっと彼女の事。



悪い意味じゃなくて、自分の感情を大事に出来るという素晴らしい長所だ。



『志摩先輩、ありがとう』



最後にもう一度言う。





傾いた陽で赤く染まった教室内。




「ああ、頑張れ――…キミならきっと出来る」




照れた証拠の頬を隠す様に影を帯びながら……




最後に力強いエールをもらい、あたしは生徒会室を後にした。