あたしも不思議。



寄りによって、あんなに印象の悪かった志摩先輩とこんな風に笑って話しているなんて。



信頼、という心を持って。




「ねぇ、どうして先輩はこういう事始めたの?」



これは無料奉仕。



将来の為の予備訓練だとしても、自分のことで精一杯なこんな時期に、そんな大事な時間を割くだなんて。




最後に聞いてみたくなった。



志摩先輩は少し考える様に天井を見上げると、




「これも自己満…かな?」




…それ以上は教えてくれなかった。




あたしも聞かなかった。




あのアパートで、恐らく一人暮らしをしている志摩先輩。


志摩先輩も、もしかしたら内に秘めた“何か”があるのかもしない。


そう思ったから。