『ありがとう、志摩先輩。あたし、今日ここへ来てよかった』



立ち上がってお礼を言った。



「それが1番嬉しい言葉だな。そう言って笑顔で帰っていく瞬間に俺も救われる」


『え?』


「あ、いや。こっちの話」



志摩先輩は、気まずそうに顔を背けた。



一つ咳払いをして、もう一度あたしを見る。




「そう思うなら、工藤さんのやることは一つだな。もうワンステップ超えられるか?」


『うん』