志摩先輩は立ち上がって、コップに飲み物を注ぐ。


それを一口飲むと、



「まさか。向こうだって、当然だけど相手がキミだなんて一言も言ってない。

お互いに気が合うってことじゃないのか?」



振り返って、ピクリと眉毛を上げた。




…それって成瀬先生だと言ってるようなものだよね。




でも成瀬先生にまで頼られる志摩先輩って、やっぱり凄い人だと思った。




窓の外を見ながらコップの中身を喉へ流し込んでいく志摩先輩を見ながら、今更思う。




だからこそ納得できた。



栞があたしに黙って相談を持ちかけたことも、3ヵ月先まで予約が埋まっているという事も。