元々絵を描くことが好きだった。


嫌なことも忘れて、それだけに没頭出来る唯一の時間。



瑶子ちゃんに見抜かれた才能は開花し、今ではコンクールでも入選するほど。



軽い気持ちで叩いた美術部の扉も、いつしかあたしにとっては居場所となり、もうなくてはならないものとなった。



そして、瑶子ちゃんの存在も……




お節介で押しつけがましいと思っていた印象も、話していくうちに徐々に溶けて行った。




瑶子ちゃんとは、事情こそ違うけど少し似ている部分があったから。





小学生時代にいじめに遭っていたことがトラウマとなり、それ以来“人”の中へ飛び込めなくなった。



人に合わせることで疲れるくらいなら、1人でいた方がいい…



瑶子ちゃんはそんな学生時代を送ってきたのだとか。