『うん。なんか面倒くさい男がいてね』


「なあに?それ」


『ストーカーみたいなヤツでマジ気持ち悪いんだって!』



あたしも瑶子ちゃんに習って絵具の補充を手伝う。




…瑶子ちゃんと出会ったのは、入学して間もない頃だった。




選択授業の美術の時間。



校庭で好きなものをデッサンするという課題に、みんながわいわいと楽しそうに固まって作業している中



あたしは校庭の片隅で、桜の木を1人黙々とデッサンしていた。




そんなあたしの横に腰を下ろし、1人勝手に絵の講評を始めたのが瑶子ちゃん。