「また…裏切られちゃった……」




もらい泣きが、悔し涙に変わる。



あたしの過去を知っている栞には、言葉の意味が深く伝わったんだと思う。



「あたしだけは、紗希の味方だからね?それだけは忘れないで」


「ありがと……」




あたしの肩を抱いてくれた。




階段の隅っこの陰で、あたし達は寄り添って涙を流した。