「あたしは栞が大好きだよ」


「紗希……」


「あたしの方こそごめんね」



あたしだって親友だと思っていたけど、栞から“親友”と言われるまで自信がなかった。



あたしの悲しみに、本当に心を寄せてくれているのか疑ってしまった。



だから栞にもさらけ出す事が出来なかった。



強がってしまう、あたしの悪い癖。



全てに於いて、あたしは不器用なんだ。



危うく、こんな大事な親友まで失う所だった。



栞は涙を拭くと、優しく笑った。



「美術部やめたって聞いた…」


「うん、さすがに無理でしょ…」


「……そだね……」