とうとう栞の耳にも入ったか……



昨日4組の子が噂していたくらいだし。



「成瀬先生と立花先生が……。信じられない……」



机の上に涙が弾ける。



「ここの所美術室に行ってなかったみたいだからおかしいとは思ってたんだけど……ごめんね紗希…あたしなんにも力になってあげられなくて……」



あたしの手を握りしめたまま、ポタポタ涙を落とし続ける。



そんなあたし達を、クラスメイトが遠巻きに眺めているのが分かる。




周りの視線を感じたあたしは栞を廊下へ連れ出した。