翼は制服を投げてよこした。



『……』



なんでも見透かされていたのかと思うと、あたしはそれを素直に受け取るしかなかった。



『シャワー浴びてくる……』








包帯を巻いていたらローファーに足は入らないし、傷の一つ一つに絆創膏を貼っていった。




……翼がやってくれた。





一晩経ったせいか、痛みは倍増し極力足の底を浮かせながら歩く。




「そんな足じゃ、チャリ漕げねぇだろ」


『……』


「しょうがねぇから乗せてってやる。ホラ乗りな。」



中学時代から愛用しているママチャリのうしろを指した。




そこまでするなら本当に行かなくてもいい。



……とは言えず、あたしは翼に従った。