ここは本屋だからか、店内にはBGMなんか流れてない。



唾をゴクリとのみ込めば、その音まで聞こえてしまいそうな静寂。




「だから、名前と電話番号」


『……』


「名前」


『……』


「……ふぅ……」



あたしのだんまりに


いよいよ痺れを切らした男性は、重い腰をゆっくり上げた。



「当方としても出来れば事を荒立てたくないんだ…。初めてなんだよね?出来心なんだよね?」