「そういうのは、惚れた男に言え」





……え?




ベッドに横たえたあたしの体の上には、毛布が掛けられた。




『ちょ……あたしはっ!』




起き上がろうとしたあたしの体を翼が抑える。




『……ッ』




その力は思った以上で、あたしの体は再びベッドに沈みこむ形となった。




「ゆっくり眠れ。眠りに着くまで傍にいてやるから……」




翼は目元に手を置くと、あたしの瞼をそっと閉ざした。





………翼。





眠くない、眠れるはずなんてないのに。




温かい布団の温もりと、温かいに声に包まれながら、不思議とあたしは眠りに落ちて行った。