『……っ』


「ここじゃ狭いから」




少し動揺したあたしに、翼は淡々と言う。




……そうか。



翼は初めてなんかじゃないはず。




ついこの間まで彼女が居たんだから。



あたしの要求を拒むことなくあっさり二階のベッドまで運んだ翼に、男ってこんなものなのかと、どこかで笑っている自分。



自分から誘った癖に―――。