「絆創膏じゃ間に合わねーな」




首を傾げて何やら考え込んだ後、翼は一度姿を消すと包帯を手に戻って来た。



どうやら自宅から調達してきた様子。




意外なほど出際が良いのは、サッカーでテーピング等をする機会が多いからだろう。


あたしはそれをじっと見つめ、終始無言のままに手当てが終わった。




足首から下は、包帯でグルグル巻き状態だった。





「おまえ、強がってばっかいんじゃねーよ」



散らばった救急セットをきちんと元に戻すと、翼は一息つくように大きなタメ息を零しながらあたしの横へ座った。