家が隣という、かれこれ付き合いが16年になる男子。



小学校中学校は仕方ないとして、高校まで一緒だと知った時は正直笑った。



『なに?』



あたしは翼の目を見ずに机へ向かうと、放り投げるようにカバンを置いた。



「おまえ最近帰ってくんの遅いぞ」



――はい!?



まるで家族か彼氏かというような言い草に、今度こそあたしは翼を見た。



「ったく、あんな時間まで何やってんだよ」


『あんたストーカー!?』


「はっ!?じゃねーよ。タロウだよ。おまえが帰ってきたらスゲー勢いで吠えんだろ」