「開けるぞ」



翼はあたしに断りを入れると玄関のドアを開けた。




いつもの様に暗くひんやりした家の中。



抱えられるようにして入ったリビングで、あたしはソファに体を投げ出した。




翼はキッチンへ向かった。




ジャーっと水の出る音がする。



翼は水を汲んでくるとそれをあたしに差し出した。




「取り敢えずこれ飲んで落ち着け。話はそれから聞く」