その事実を前提に、もう何を言われたって……




掴まれた腕を振り払おうとする。



けど、掴まれた腕は強さを変えない。



男だと知らしめるようにきつく握る手は、あたしに振り払う隙すら与えない。




「…黙ってたことは…悪かった」


『先生、あたしの気持ち知ってるんでしょ?それともガキがって、本気にもしてなかった?』


「そんなことない。分かってたさ。分かってたから……っ」


『言えなかったとでも言うの?随分都合がいいんだね』