“親友の好きな人……”



瑶子ちゃんの思いはそこに含まれていたのだと。




成瀬先生の肩越しに見えた瑶子ちゃんに焦点を合わせた。




「紗希ちゃん、そんなことないっ!

あたしっ、本当に紗希ちゃんのこと妹のように思ってたから―――ッ」



顔をグシャグシャにした瑶子ちゃんの悲痛な声が、響き渡った。




けど、そんな声あたしの心には響かない。



いくら繕ったって、心の声までは届かない。


こんなに重大な事実を隠してきた人たち。