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あたしが通う高校は、自転車で10分という近いところにある。



両親が離婚するまでは私立に進学する予定で塾通いもしていた。



けれどあたしの通っている学校は都立。




ここは中堅レベルで、対して受験勉強をしなくても簡単に入れた。




あたしは土壇場で志望校を変えた。






「おい紗希」




2-5。


そうプレートのついた教室の入り口をくぐると、あたしを呼ぶ声が足を止めた。



声をかけてきたのは翼(ツバサ)