確かに毎日外食したって余るくらいのお金はある。



けれどあたしは家にいるときは極力自炊をしていた。



「えらいえらい」



あたしの上に乗せられる手。




置かれたまま、その手が大きく左右に動く。




―いい子いい子。





子供みたいだけど、こうしてくれる瞬間が大好き。



今みたいに褒めてくれる手。


大丈夫だって安心をくれる手。



どんなときも、成瀬先生の手によってあたしは癒されて来た。



初めて会った日も、こうして手を頭に乗せてくれたよね。




それがどれだけ温かく感じたか……