約束は実行された。



その日、あたしは早起きをして沢山のお弁当を作った。



お弁当は毎日作っているから作り慣れているし、そこそこ料理は上手だと思っている。




『おはよ、先生』


「おう、乗れよ」



成瀬先生は家の前まで車で迎えに来てくれて、助手席のドアを開けた。




まるで恋人気分。



シートの位置はあたしがちょうど座り易い位置。



それが毎回変わってないことにホッとする。



ここはあたしだけの特等席。



他の女(ヒト)を乗せないでね、って思う。