いるわけない……か。



水曜の2限。


今頃1-4で授業中。




フラフラした頭でゆっくり足を床につけて立ちあがる。



昨日成瀬先生が遅くまで仕事をしていたテーブルに、1枚の紙を見つけた。





工藤へ…



そんな文字を目にし、あたしは急いでそれを手に取った。




[おはよう。ぐっすり眠っているので、起こさず学校へ行きます。まだ熱があるようだからゆっくり休め。コンロの上におかゆを作っておいたから、無理してでも少しは食べなさい。昼休みに一度様子を見に来ます]



男の人の割にはタッチの軽い、流れるような綺麗な文字。



『先生……』