「ああ……」



成瀬先生は優しく頷いて、逆にあたしの手を握るように取ると、布団の中へ忍ばせた。



『ありがと……』



口元が緩む。




なにも喋らず、ただ成瀬先生を瞳に映してた。




このままずっと見つめていたいのに……



意識が薄れてく……






やがて下がる瞼に、愛しい人の姿を消した。







『好きだよ、先生……』



無意識に漏れた言葉。


現実か夢か分からない境目で自分の言葉を聞いた後、そこであたしの意識はプツリと途切れた――…