「でもね、絵が好きって言う共通点だけでみんなが私に声を掛けてくれるの。

だから色々なタイプの人と友達になれたわ。私は友達に人との付き合い方を教えてもらった気がする。

そのおかげでこんな私が教師なんてやってる」



“不思議よね”


そういう瑶子ちゃんの目は、遠まわしにあたしにもっと人に心を開けと言っている様に感じた。



どちらも敢えてそのことは口にしなかったけれど、あたしにそう思わせただけで瑶子ちゃんの勝ちなのかもしれない。




友達……か。



あたしには、栞と瑶子ちゃんと。


そして成瀬先生が傍にいてくれたらそれだけでいい。




自分が傷つかない為に、期待の種は増やさない。



例えそれが狭くても、信頼を持って深く付き合えればいいんだ。