『瑶子ちゃん、アフター5は何してるの?』


「特にこれといっては……。学校から真っすぐ帰って、ご飯作ってテレビ見て……」


『寂しいな~。彼氏作らないの?』


「余計な事言わないでいいの!ご飯作ってあげないわよ!」


『はいはい。あたしもエプロン持ってきたから手伝うね!』



母とは一緒にキッチンへ立った記憶がない。



お手伝いをしたいと思い母の傍へ寄ると「お勉強してなさい」そう言われた。



小学校の家庭科で作ったエプロンも、使われることなく袋に入ったままだった。



本当は、こうしてあたしも人と一緒に料理がしてみたかったんだ。