『あたしはもう1回変わりたい。次は“成瀬”がいいな』


そんなあたしの逆プロポーズにも


「成瀬って名前に悪いヤツはいない。俺のクラスにもいるぞ。紹介するか」


大人の余裕で交わす。




「なにか困ったことがあったら連絡して来いよ」



成瀬先生は、携帯の番号を教えてくれた。




何もないけど電話をした。



1人の夜。長い夜。



成瀬先生は話し相手になってくれた。




“ケーキ食べた仲だしね”



事あるごとにあたしはそれを持ちだし



いつしかそれは、2人を繋ぐ、魔法の言葉になっていた。