両親の離婚。


更に乱れた母親の素行。



どれもに胸を痛め、あたしも随分落ちたし、そのせいであたしの素行も悪くなった。



習い事も全部やめ、夜の街をフラフラして普通の中学生なら出入りしない所へも入り浸った。



けど、完全に腐りきらなかったのは、成瀬先生の存在があったから。






「俺は昔、佐々木だった」




成瀬先生は、両親に離婚経験があるという事を明かしてくれた。



でも違うのは、成瀬先生はその後、父親の分までお母さんに愛情を注いで育ててもらったということ。



成瀬先生は、こんなあたしを放っておけなかったのかもしれない。