「それって普通に考えたら、恋人同士のすることなんだけどねー」



ペタっと腕を机につけ、その上に顎を乗せながら栞は頭を捻る。




あたしをじーっと見つめて


「たまには引いてみるとかしないわけ?」


顎を遊ばせるようにガクガクさせながら言った。




『なんでそんな事する必要があるの?』



あたしはあたしなりに、一所懸命成瀬先生にアプローチしていた。



あたしが諦めない限り、いつか同情が愛情に変わってくれるんじゃないか。



そんな期待を込めて好きだと言い続けているのに。