彼の姿を探す。



『ハァ……ハァ……』



ついさっき別れた道に、もう彼の姿はなかった…



『足早いよ……』



あたしは更に加速して、大通りまで出た。



右を見て、左を見て





『居たッ――…』




コートを羽織った彼が、少し背中を丸めて歩く姿が目に映った。



あたしはその背中に向かって声を張り上げた。





『あの――――――っ!!!』