谷間の隅に、湖がありました。

動くもの一つ無い青白い谷の底で、銀の湖面は鏡のように静まりかえっていました。

彼はそこで、水を飲もうと思いました。そして、しばらく休むつもりでした。

深い深い眠りが、彼を手招きしていました。