梅子情報を山崎は語りだした。

「まず、ここから少し行ったところに○△公園がありますよね?」

「ええ。大きな公園ね」

「あの公園はハッテン場なんです」

「ハッテン場?」

「まあ、ゲイの人が夜な夜な出会いを求めて集まってくる場所のことです」

「そんなのがあるんだ」

「はい。で、あの公園を仕切っているのが田中なんです」

「梅子ママが田中を見たということが、収穫だったのね」

「はい。梅子梅崎は、田中を一目見て分かったそうです」

「公園を仕切るって、具体的に何をするの?」

「……。いろいろするんです」

困っている山崎を見て、梅子が口をはさんだ。

「公園内で、“ゲイ狩り”からゲイを守ったり、警察が来たらみんなに知らせたり、のんけ(一般の人)の覗きを追い払ったりするのじゃ。もちろん金は取るがな」

「一人いくらですか?」

「一晩千円じゃ」

「田中が一人で仕切ってるんですか?」


「うむ。五月と秋山の力を借りての。正確には仕切っていた、が正しいがの」