厨房に入ると質問責め。



「彩志ー!誰やねんあのかわいい子!」



「この間来てた子やんな?どうやってお前なんかが呼べたん?」



「かわいすぎやろー!」



あーめんどくさい。



「かわいいっすか?勝手に来たんすよ。」



ビールを入れながら適当に返す。



「勝手に来た?なんやお前!売れっ子気取りかー!」



「ヘルプ着かせて!ヘルプ!」



あーもうほんまめんどくさい。



てか先輩仕事しろよ!と心の中で突っ込む。



「まだ2回目の客なんで単価あげたりはやめてくださいね。ヘルプ着いてもらえるのは嬉しいですけど。」



「分かってるよー!」



ニコニコと俺のヘルプに先輩が着きたがるなんて明日はきっと大雨だ。



当時の俺はぺーぺー新人ホストのくせに先輩への態度は生意気で出勤も不真面目。



たまに出勤しては色カノに売上を上げさせて自分の席で爆睡するっていう最悪なホストで



先輩からは嫌われていた。



ヘルプになんて着いてもらえることがなかった。