それならコッチだって 心から大嫌いになれんのに。 [‥‥美胡ちゃんってさ、[あ!八城くん!] 甘ったるいその高い声に廊下を 窓越しに見れば、 確か山木とかいう女がコッチに 手を振っていた。 [八城くん、おはよっ] 俺の席まで歩いてきた山木は 隣の美胡をチラリと見たあと、 また俺の方に視線を戻す。