ー早朝ー

二人は、亜寿華の家を出て近くの村を歩いていた

「本当に良かったのか、挨拶なしに出て来ちゃって?」

「ああ…置き手紙をして来た…問題ない」

「そぉじゃなくてよぉ~…これで最後なんだろ?お義母さんと会うの…」

ふ、と横を向くと亜寿華は、悲しそうに笑っていた

「いいんだ…あの人をこれ以上人殺しと関わらせたく無いしな…」

「………………」

…言葉が出て来なかった…
こおいう場面で格好いい奴は、黙って抱きしめて“そんなことねぇ”って言えるんだろうけど、俺はただ亜寿華の無理に作った笑顔を見ることしか出来なかった…悔しかった

「なぁ、聖哉!」

「ん?」

「今日泊まる宿を探そうか!!」

亜寿華はわざと明るく聖哉に話かけた

「そぉだな!」